お金の先生ビジネス塾講義⑨

投資戦略を知る

この章では初心者がまず知るべき基本的な投資戦略について学んでいきたいと思います。

アセットアロケーションとは、運用する資金を国内外の株や債券などにどのような割合で投資するのかを決めることをいいます。

アセットとは「資産」、アロケーションとは「配分」という意味を持っています。

資産は、大きく分けて「現預金」「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」「不動産」「商品・金」など、同じような特性を持つ商品のグループを指します。

アセットアロケーションは、その人の資産状況やリスク許容度、運用目的などによって人それぞれで適切な配分が異なります。

また、具体的に商品を組み合わせたものをポートフォリオといいます。

アセットアロケーション

運用資産全体をどの資産に配分するかをアセットアロケーションと言います。

具体的な銘柄ではなく、株式と債権などマクロ的な視点で運用割合を決めていきます。

投資する銘柄を決める前に、まずはアセットアロケーションを考える必要があります。

ポートフォリオとは

ポートフォリオとは、所有している金融商品一覧のことです。具体的な銘柄まで含みます。

卵は1つのカゴに盛るな

相場格言であり、「資産運用の王道」を表す言葉。
欧米で古くから言われる「Don’t put all your eggs in one basket.」を日本語訳したもの。

「卵を1つの籠に盛ると、その籠(かご)を落としたときに全部割れてしまう可能性がある。複数の籠に盛っておけば、そのうち1つの籠を落としても、他の籠に盛られた卵からやがて“ヒヨコ”が生まれ鶏(にわとり)に育つ可能性がある」との意味。

分散すればするほど「リスクは下がる」

基本的に分散すればするほどリスクが下がることになります

個別株1社だけに投資すれば、その会社が倒産すれば全財産紙屑になります。

1社ではなく、10社に分散しておけば全てが同時に倒産すると言う事はないでしょう。

さらに言えば、株式だけではなく債券にも分散しておけば、株式市場全体が暴落した際にも債権の価値は守られ資産全体の損失を和らげることができます。

あるいは、10社ではなく100社、1000社と分散した方がよりリスクは下がっていきます。

何が起こるか分かっている時「分散投資」に意味はない

分散投資の本質は、投資リスクを下げることです。

運用利回りを上げることとは全く関係ありません。

ですから資産運用をするときに、とにかく分散投資すれば良いと言うのは間違いです。

分散すればするほどリスクは下がりますが、一方でパフォーマンスは落ちていくものだと考えれば良いです。

確信を持って投資できる際には逆に分散せず、1点集中した方が良い場面もあります。

常に一点集中は危険です。

しかし、投資していく中でここぞと言うときには、必ずしも分散投資が正解とは限らないということを覚えておきましょう。

iDeCoの「元本確保型」商品の中身

下の図はある会社のiDeCo「元本確保型」商品の概要です。

中身は、定期預金です。

適用金利は、0.01%や0.002%です、、、

運用になっていません。

元本確保型ではなく、せめて投資信託の銘柄を選びましょう。

ちなみに証券会社でランキング上位の銘柄が良いとは限りません

投資信託などの銘柄は証券会社などがよくランキングをつけたりしています。

ランキング上位の銘柄だと言って必ずしも良い銘柄とは限りませんので注意が必要です。

例えば ランキングが上位でも、信託報酬が1.5%など非常に手数料が高いものが上位にランクインしていることもあります。

総資産額、信託報酬、ポートフォリオを必ずチェックして選定していきます。

※講義の際に具体的にファンドチェックを行います。

SP500に連動する投資信託でも種類がある

引用先
https://mon-ja.net/200329-01_s-and-p-500-index-funds/

同じようなポートフォリオの銘柄であっても、性質や信託報酬等が若干変わりますのでその辺もチェックしていきましょう。

例えば、iFreeレバレッジS&P500は、通常のS&P500の2倍のボラティリティがあります。

つまり、2倍の変動があると言う商品です。

リスクとリターンが大きいと言う性質があります。

増えたときは良いですが、損失も大きくなりやすい商品ですのでが必要です。

上記の図で言うと、上の2つ(赤枠内)は信託報酬が0.1%を切っています。他は、0.2%以上ですので、S&P500に連動するインデックスファンドを選ぶ場合は、赤枠内のどちらかを選ぶと良いと言うことが分かります。

運用後の作業〜リバランス〜

実際に投資した資産の配分を定期的に見直す作業を「リバランス」と呼びます。

時間が経てば経つほどポートフォリオ内での運用成績に違いが出ますから資産の構成割合が変化していきます。

そのまま放置しておくとパフォーマンスやリスクレベルが変わる可能性がありますので、少しずつ修正していきます。
そして、リバランスは投資を行なう上では、必要不可欠な作業です。

ETFとは

ETFとはExchange Traded Fund の略で、日本語では「上場投資信託」といいます。

ETFは日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、NYダウ等の指数に連動するように運用されている投資信託の一種ですが、証券会社に口座を開けば、株式同様手軽に売買できます。

一般的にETFが連動を目指す指数は複数の銘柄で構成されているため、ETFの投資対象も複数の銘柄になります。

よってETFは、投資信託同様、1銘柄に投資するだけで分散投資が可能となります。また、ETFは取引所に上場しているので、株式のようにリアルタイムで取引することができます。

取引所価格は、一般の株式と同様に、投資家が取引所で売買する際の価格のことで、その時の需給を反映し、リアルタイムで変化します。

そして、取引終了時に「終値」としてその日の価格が確定します。

基準価額は、ETFに組み入れられている有価証券の時価評価に株式の配当金や債券の利息などの収入を加えた資産総額から、ETFの運用に必要な費用を差し引いた純資産総額を発行済口数で割って求められる1口あたりの値段です。

インデックス投資とは

インデックス投資とは、日経平均やTOPIX、S&P500、ダウ平均のような株価指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資方法のことです。
例えば、日経平均が5%上昇したら、自分の資産も同じく5%上昇するような投資方法です。

具体的に投資する際には、インデックスと同じ値動きをするよう設計された投資商品(投資信託・ETF)を購入することになります。これらの投資商品には「インデックス投信」および「ETF」があり、総称して「インデックス・ファンド」と呼ばれています。

現在、世界には1万種類以上のインデックスがあり、日経平均のような株式の市場動向を示すインデックス以外にも、債券、不動産、商品などの市場動向を示すインデックスもあります。
また、それらと連動するインデックス・ファンドも多数あります。

米国株に投資するべきか

まずアメリカの経済状況をおさらいします。

株価指数などはその国の経済力や成長に支えられていますから、まずはアメリカ経済の現状把握をすることで米国株に投資するべきかの参考データにすることができます。

下の図は世界のGDPランキング上位10か国です。

アメリカはダントツの1位です。

中国の1.5倍以上、3位の日本の4倍の規模です。

これを見れば、世界の覇権国がアメリカであることが分かります。

続いて、1980年からのGDP(USドル)推移を見てみます。

アメリカはダントツの1位です。

中国の1.5倍以上、3位の日本の4倍の規模です。

これを見れば、世界の覇権国がアメリカであることが分かります。

続いて、1980年からのGDP(USドル)推移を見てみます。

米国企業の強さ

アメリカの経済成長を牽引しているのは、グローバル企業の強さが1つの理由です。

世界の時価総額上位ランキングのデータを見てみます。

米国経済を支える人口増加

国の経済成長の大きな要因に、人口増加があります。

多くの先進国は、医療技術の向上、治安の改善、教育費など子供にかける投資資金などの影響で出生率は下がり少子高齢化していくのが典型的なケースです。

その中でも日本は超高齢化社会を迎えようとしていますが。

アメリカは移民の国ですから、出生率は低くても移民いよる人口増加が見込めます。

シンプルに考えて人口が増えれば消費者のパイが増えますから、マーケットが拡大していきます。

企業にとっては設備投資もしやすい環境にあると言えます。

下の図はアメリカの人口増加の予測を表した図です。

 

5年で1000万人増えるという予測がたてられています。

2080年には、65歳以上が4割をしめ人口8000万人になると言われている日本とは大違いです。

米国経済を支える人口増加

アメリカは世界一の石油消費国ですが、その自給率が2008年頃から急激に上昇しています。

現在のアメリカのエネルギー自給率は90%を超えています。

対して日本は、、、

8%弱です。

日本は本当に資源がない国です。

その分、技術力をつけてきたという背景はありますが。

 

エネルギー消費国から資源国に

アメリカはもともと原油を中東から大量に輸入していましたが、シェール革命により、低コストで天然ガスや原油を生産できるようになり輸入依存度が急激に減少しています。

将来的には、エネルギーを完全自給できるようになると言われており、余剰エネルギーは輸出される可能性が高いです。

つまりアメリカは世界一の経済規模をほこるにも関わらず、資源国になる可能性があります。

いくつかのデータを紹介してきましたが、アメリカ経済は長期的に見ればまだまだ伸び代があると言えそうです。