私はFP会社を経営しています。
今でもたくさんの方のお金の相談を受けます。
そこで感じるのは、
日本人のマネーリテラシーは低すぎる…
と言うことです。
先日の私のツイートはこちら
投資という言葉に拒絶反応を示す人もいます。一方で投資は当たり前という人もいます。
完全に二極化しています。
マネーリテラシーが低いのには原因があります。
まずは原因を取り除くための話をします。
作られたマネーリテラシーその①〜江戸時代〜
江戸時代といわれると、はるか昔と感じます。
しかし、江戸時代が終わったのは1868年ですから約150年くらい前です。
我々の4世代、5世代前は江戸時代ですから、親から子へ教育の影響が残っていても不思議ではありません
江戸時代には、士農工商という言葉があります。
諸説あるようですが、現在ではそのような身分制度はなかったか、あるいは表現が不適切ということになっているようです。
実際に上記のような身分制度があったかどうかは横に置いておきます。
当時は農民が貧しく、商売人はお金を持っていました。
当然農民は、天候によって農作物が取れず飢餓に苦しむこともあるわけです。
一方で、商売人は貴重なお米の値段を釣り上げて儲けていました。
「商売人は卑しい」「商売人は強欲だ」
このような言葉が残っています。
つまり、お金を稼ぐことは「強欲」で「卑しい」ことだという民衆思想がありました。
庶民をそこそこ貧しくすれば平和になるという歴史があります。
国民が金持ちで力をつけると、政府を脅かす存在になり得ます。
それは困るので、適度に貧しい方が政府からすれば都合が良いです。
さらに、貧しい不満を金持ちに向けさせることができればより都合が良い話です。
作られたマネーリテラシーその②〜戦後〜
日本人のマネーリテラシーは歴史によって作られています。
・投資は怪しい(詐欺)
・金持ちは何か悪いことをしている
・お金の話をするのははしたない
・貯金大好き
特に多いのは、貯金大好きでもお金持ちは嫌いと言う価値観です。
実は貯金大好きと言う国民性は戦後に生まれた価値観です。
戦後はいわゆる物不足の時代でした。そのため物価が上がりやすい状態でした。
これを専門用語でインフレーションといいます。
インフレが異常に進んでしまうと、物価上昇に歯止めがきかなくなり経済危機を迎えることになってしまいます。
そのため政府は、国民の消費活動を押さえ込む必要がありました。
つまり国民にお金を使わせたくなかったのです。
そこで救国貯蓄運動と言うキャンペーンを展開します。
要するにお金を使わせたくなかったんですね。
モノ不足の中、国民がたくさんお金を使うと、物価はどんどん上がってしまいます。
例えばコロナ禍におけるマスクの価格を想像してもらえばわかりやすいです。
マスク不足によって、1枚10円ほどの単価が1枚100円を超えるなど 価格が急騰してしまいました。
普段500円で食べられるランチが、5,000円になってしまうと国民は困ってしまいますよね。
なので国民にお金を使わせないようにすれば、値段は急騰せずに済みます。
国民に貯金させることで消費活動を抑制し、インフレを押さえ込もうとしたのです。
それでも1935年〜1949年のわずか15年間で物価は約200倍以上に跳ね上がりました。500円の牛丼が10万円になるイメージです😂
とんでもない物価上昇ですね。
経済破綻寸前まで行きましたが、貯蓄運動の成果もあり、なんとか持ちこたえます。
「貯蓄しない人間は非国民」という雰囲気さえあった
国をあげて、預金運動を展開しなんとかインフレは抑制できました。
一方で、貯金が美徳という過剰な意識が芽生えるきっかけになってしまいます。
・江戸時代→金持ちは卑しい ・貯金運動→貯金が美徳
日本人は、2つの時代の民衆思想が結果的に現在に繋がっています。
お金に対する価値観は、親から子へ受け継がれて行きます。
体系的に学ぶ機会が少ないのが原因です。
お金は単なる道具です。
お金の量と人格を結びつけたり、投資を詐欺と決めつけるのはこれからの時代、破滅行為です。
マネーリテラシーを積極的に向上させてより豊かな人生にしたいですね。