お金を分かりやすく身近に
今、日本経済は所得格差拡大に向かっています。
それは疑う余地もありません。
世界的にもその傾向があります。
経済と政治の癒着により、パワーバランスが不均衡になっています。
最高所得層に富が集中し、さらにより都合の良い法律や規制によりさらに所得格差が広がる悪循環が生まれています。
その象徴がアメリカ社会です。
所得格差拡大型社会の代表は、間違いなくアメリカです。
アメリカほど、富裕層と貧乏人の格差が酷い国は他にありません。
GDP世界一の国でありながら、富の8割以上を上位20%の高所得層が所有していますからその格差はどんでもない状態です。
日本経済の問題は、世界でもダントツで高齢化していくことにより、社会保障制度を維持することが難しくなっていることにあります。
社会保障制度は、所得再分配の機能があります。
高所得者から税金を徴収し、低所得者へ分配することで、国民のセーフティネットの役割を果たしています。
社会保障制度が維持できなくなれば、より「自己責任」「自由競争」など市場原理主義的発想となり、社会的弱者は切り捨てられる可能性が高くなります。
日本がそこまでの状況になるとは考えていませんが、少なくとも今よりは格差は広がるでしょう。
主な社会保障給付は、公的年金制度、医療保険制度などですが、特に年金制度の崩壊は会社員にとって致命的です。
日本には、現役時代に老後資金を確保するために資産運するという習慣が根付いていません。
そもそも充実した年金支給額のおかげで、老後の生活が保証されていたからです。
充実した厚生年金制度によって会社員の老後資金は確保されていましたから。
日本経済にとって、社会保障制度の縮小は避けては通れません。
特に公的年金は、今後30年以上受給額が下がり続ける見込みです。
社会保障制度の縮小は、所得格差拡大に働きます。
そもそも、社会保障制度は所得格差是正の役割があるからです。
お金持ちから徴税し、社会的弱者に再分配する機能です。
その機能が縮小するのですから、格差は拡大していきます。
引用:http://editor.fem.jp/blog/?p=1531
世界的に見れば、裕福な上位1%の人たちが、全体の富の55%を所有しています。
半分以上をたった1%の富裕層で独占しているのが現状です。
上位10%で見れば、なんと88%の富が集中しているのです。
世界で考えると、貧しい人たちがどのくらいいるのかが分かります。
アメリカは先進国ですが、上位20%の人が80%以上の富を独占している状態です。
アメリカは、市場原理主義、自由競争、自己責任、個人の自由を重んじる風土があります。
より競争が激しく、長い歴史の中でも基本的には格差拡大傾向にあります。
一方で、日本の経済格差を見てみると、世界、アメリカと比較すればそれほど格差は広がっていません。
裕福な上位20%が55%の富を所有している状況です。
それは日本の充実した社会保障制度があったからです。
あるいは、年功序列の賃金制度が定着していたからに他なりません。
日本経済はあまりよくない状況が続いています。
GDPは先進国の中でもダントツで成長していません。
ここまで経済成長していない国はほとんどないでしょう。
今まさに、公的年金制度、年功序列の賃金制度が崩壊しようとしています。
「働き方改革」「一億総活躍」「副業兼業」というキャッチコピーを国は訴えています。
このまま所得格差が広がり続ければ、多くの会社員は老後資金が確保できず、「死ぬまで働きづつける」ことになる可能性もあります。
そもそも厚生年金では生活できなければ、金融庁のいう2000万円不足どころの話ではなくなります。
加えて、恒例になれば、怪我、病気、介護など経済的にもアクシデントはつきものです。
緊急資金など含めれば、貯蓄だけで悠々自適に老後を過ごせる人はほんのわずかしかいないと推測できます。
アメリカ的に言えば、上位20%だけが悠々自適な老後を迎えられる話です。
世界的にどのような流れがあるのか、日本経済がどういう方向に向かっているのかは現状把握すればある程度予測がつきます。
もちろん20年後、30年後のことなど分かりませんが、少なくとも30年前に推測されていた、日本の機器的状況は現実になっています。
これからは、自己責任、市場原理主義的な世の中に突き進む可能性があり、国や会社に依存することなく所得を確保する自衛手段をもつ以外に方法はないかもしれません。
「副業兼業」の時代へ、5つの肩書を持つ会社員も現れる?▶︎老後資金問題、会社員をやりながら個人事業主として働くメリット