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つみたてNISAは少額投資非課税制度と呼ばれていますが、その名の通り、税金が優遇される制度です。
簡単に言えば、投資で得た利益に対して本来かかる約20%の税金がかからない制度です。
やった方が良いのは分かっていても、なかなかスタートできな人も多いはずです。
つみたてNISAにいて簡単な仕組みと、銘柄選びのコツについて紹介していきます。
運用益が非課税だと具体的にどのようなメリットがあるのか解説します。
結論から言うと、「複利の効果をより強力に使うことができる」からです。
運用益が毎年差し引かれると、それだけ運用利回りは低下しますが、税金がかからず運用し続けることができればその分利回りが上昇します。
複利の効果は、資産運用の初心者がまず理解するべき知識です。
基本中の基本だと言えますので、必ず抑えておきましょう。
単利と複利という言葉があります。
比較すれば理解しやすいはずです。
単利とは、投資元金に毎年利息がつきます。
一方複利では、「投資元金+利息」に利息がつきます。
例えば、100万円投資して3%の利息がつく商品の場合を考えてみます。
単利の場合、単純に投資元金である100万円の3%にあたる3万円が毎年利息として受け取れます。
複利は、毎年3万円ではなく、2年目には103万円に対して3%の利息がつきますので、30,900円が利息となります。さらに3年目には31,827円の利息がつきます。
単利は「投資元金×利息」、複利は「(投資元金+利息)×利息」で計算されます。
当然運用成績は、複利運用の方が成績が良くなります。
複利の場合どのよう利回りが増えるかシミュレーションしてみます。
毎月5万円のつみたてで、運用利回り5%でシミュレーションしてみました。
10年 776万円(+176万円) 20年 2551万円(+1331万円) 30年 4161万円(+2361万円) 40年 7630万円(+5230万円)
上記の数字を見れば明らかですが、時間が経てば立つほど利益金額が相乗的に伸びています。
これが複利の効果です。
長期投資で、「時間を見方につける」という表現をしますが、「複利の効果を活用する」とほとんど同義です。
これは僕の基準ですが、複利の効果が発揮され始める目安は15年だと考えていただければと思います。
ですから、NISAに限らずつみたて投資を始める時には少なくとも15年は継続する気持ちでやらなければそもそも複利の効果を得ることはできないと考えましょう。
複利の効果が理解できれば、つみたてNISAの運用益非課税という精度が、いかに投資家にとって有利な制度かが分かります。
逆にいえば、高額なつみたてができてしまう投資家にとってはあまりにも有利になりますので、上限が設定されていると考えられます。
あくまでも小額投資に限っての優遇措置になります。
では資産運用の初心者がつみたてNISAを始めるとして、多数ある銘柄からどれに絞れば良いのか選び方のコツを紹介していきます。
まずは商品がどのように構成されているのか大枠を紹介していきます。
投資信託全般に言えることですが、商品は大きく3つに分類できますのでまずは、この3つの特徴を抑えておきましょう。
1、インデックス型 2、アクティブ型 3、ETF
まずは上記3つの特徴を抑えておきましょう。
それぞれのさっくりした特徴を下記にまとめます。
インデックス型 マーケットの平均値に連動して価値が変動するように作られた商品です。例えば「日経平均株価」と同じような値動きをします。 このタイプの商品は、暴落したとしてもしばらくすれば適正価格に戻ります。あくまでも市場平均で推移しますので、暴落した後浮上してこないなどのリスクを排除することができますので、長期投資にはむいています。ただし、短期的に「やすく仕入れて高く売り抜ける」ということは基本的にはできないと考えた方が良いです。
アクティブ型 インデックス型に比べて、より積極的にリターンを得ようとする商品です。当然その分リスクも大きくなります。企業で言えば大手ではなく中小企業などこれから成長が期待できる成長株などが含まれます。信託報酬はインデックス型よりも高めになることが多い。
ETF ETFは、上場投資信託と呼ばれています。商品の内容はインデックス型やアクティブ型の投資信託があります。通常の投資信託と違う点は取引所に上場されており、株式投資などと同じように市場で売買できる点です。インデックス型の投資信託と同様に少額でも銘柄分散投資が可能です。信託報酬も割安なことが多いです。ただし売買手数料はかかります。
つみたてNISAで選べる銘柄は、基本は投資信託となっていて、長期積立が基本です。
短期間で売買を繰り返す資産運用方法ではありません。
ですから、初心者が株価指数などをみて一喜一憂する心配がなく取組みやすいと思います。
途中で銘柄の変更も可能です。
ただし、スイッチングと呼ばれる乗り換えはできないようになっています。
スイッチングとは、保有していた商品を売却して新たな商品を購入することです。
新たな商品で新しくつみたてをスタースするしかないのでその点は注意が必要です。
初心者の人にとって、銘柄を選ぶのは非常に難しいと思います。
何が違うのか、どういうメリットデメリットがあるのかな判断が容易ではないでしょう。
主に、3つの視点から初心者の人が銘柄を選ぶコツについて紹介していきます。
商品の種類によってどこの国に投資をしているのかが変わります。
また特定の国なのか、世界中の国なのか、経済発展途上国なのか、先進国なのかなどによってリスクとリターンは変わります。
例えば、アメリカ一国に投資している場合、その商品の運用成績はアメリカ経済に連動します。
アメリカは先進国ですから、いきなり経済情勢が傾いたり、財政破綻したりするリスクが途上国よりは低いです(もちろんゼロではありません)
また世界的にも、アメリカ経済は強いのである程度の安心感はえられるかも知れません。
一方、新興国に投資した場合、いつ財政破綻したり、経済不安に陥たりするか分かりません。
しかしながら、大きく経済発展を遂げる可能性がありそれに伴って大きく利益が増える可能性があります。
つまりハイリスク入りターンです。
投資先の国は分散することも可能です。
例えば「全世界株式」であれば、どこかの国に依存することなく、満遍なく保有することになるのでリスク分散になります。
その分リターンもマイルドになりますが、いつ暴落するか分からないというリスクをある程度抑制できます。
長期投資の基本は、分散投資です。
初心者ならなるべく特定の国に依存せず、分散し長期保有するという方針で始めるのが良いでしょう。
投資信託には、純資産総額という銘柄の規模を表す数字があります。
その商品に組み入れられている株式や債権の時価総額のことです。
どのくらいの人が買っているのかや、安定的に推移しているのかを把握することができます。
純資産総額が小さいから、悪いファンドという話ではありません。
資金がはそれほど入っていなくても、伸びていくファンドはあります。
ただそれを正確に予想するのは至難の技ではありますが。
あくまでも1つの目安と考えると良いでしょう。
ファンド選ぶ際に、商品概要として目論見書があります。
そこには、基準価格や総資産額などの情報が記載されていますが、総資産額の過去の推移をみてみましょう。
安定的に伸びているのか、変動していないのか、減少しているのかである程度の状況が分かります。
純資産総額の変動は2つの要因で起こります。
1、資金の流入(購入者が多買ったり大きなお金が流入している) 2、組み入れられている資産価値の変動
1つ目は、資金の流入です。
ファンドに資金が流入してくれば資産総額は増加しますし、解約が多ければ減少します。
2つ目は、資産価値の変動です。
組み入れられている、株や債権の価値が変動すれば資産総額も変動します。
資産総額の推移をみる際はことあたりの現状を把握してみましょう。
信託報酬とは、運用手数料のようなものです。
投資信託では、プロが代わりに運用しますのでその手数料だと考えてください。
つみたてNISAで選べるファンドの場合、信託報酬が割安なものが多いですがそれでも差はありますので自分がどの程度の信託報酬を年間で支払うことになるのかは一度計算してみましょう。
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