日本人のマネーリテラシーが低い理由
日本人のマネーリテラシーは低いと言われています。
日銀の調査でも実際に世界と比較にして日本人の点数は低いです。
アメリカ、ドイツ、イギリスなどの先進国と結果を比較しているのですが、日本は明らかに低い点数となっています。
日本人のマネーリテラシーを形成した歴史的背景
日本人の真似リテラシの低さは歴史が関係しています。
江戸時代にさかのぼるのですが、徳川家康は江戸幕府を長期政権にするためある政策をとりました。
それは「国民をそこそこ貧しくする」政策です。もし国民がお金持ちで裕福な生活をしていれば、幕府に船を持てば武器を取り揃え団結を組んで判断が受ける可能性があります。
お金があると言う事はある意味力を持つと言うことになります。
徳川家康は江戸幕府を長期安定政権するため、国民に力を持たせたくなかったのです。
長期安定政権のためには、国民がそこそこ貧しい状態でいるということが都合が良かったのです。
またお金がないという不満は、商人に向けさせました。士農工商というヒエラルキーを使って、身分的に商人を1番下位に置くことで不満を幕府ではなく、商人に向けさせたのです。
「金儲けは卑しい」
「商人は下賤」
などお金を卑しいものとして、プロパガンダを広めました。
「お金=卑しい」というプロパガンダを広めることで、国民がお金持ちにならないように仕向けたのです。
日本人は世界でも珍しく、お金を「卑しいもの」として捉える文化が昔からあります。
その因果関係は江戸時代に作られたものだと言われています。
日本人が貯金好きになった歴史的背景
また日本人が貯金好きになったこ理由は、戦後の政策が大きく影響していると考えられます。
太平洋戦争に負けた日本は、その戦後復興のための資金を確保するために「救国貯蓄運動」を展開しました。
昭和20年には「戦後ニ於ケル国民貯蓄増強方策」が制定され、政府は国民に対して貯蓄に励むように積極的に指導教育しました。
戦費に充てるためにやたらに発行し買わされた国債に対して、人々は敗戦後にいっせいに換金に走ったのです。
それに対応する為に日銀は紙幣を増刷しました。工場などは破壊されていたので、お金はあってもモノの生産はできず、戦後は強力なインフレに陥りました。その市中にあふれたお金の対応策としても、貯蓄は有効手段だったのです。
貯金しない人間は非国民
という言葉まで作りました。
このような背景から、貯金が命、貯金が正解というような文化が出来上がったのだと思います。
この様な国民性は、教育がなくなっても親から子へ普段の生活の中で自動的に「価値観」として伝わります。
それがいつしか固定観念となるのです。
日本人のお金に対する常識は、世界的にも特殊です。
日本人のお金に対する固定観念は特殊
僕はお金そのものを否定的に捉える国民性こそが、日本人がマネーリテラシーが低い原因であり、解決するべき問題だと考えています。
例えばお金に関する情報は世の中に溢れています。
インターネットやスマートフォンなどが浸透している今では、情報自体は取ろうと思えばいくらでも取ることができます。
もちろん正しい情報や誤っている情報も混在しているため、情報を入手する側がある程度選択するスキルを持たなければなりませんが。
とにかく今はお金に関する情報を得ようと思えばいくらでも得ることができる時代です。
しかし日本人の国民性を考えると、
「お金は汚い」
「お金の話をするものでは無い」
などそもそもお金を拒絶する価値観を持ってしまうと、いくら情報があっても取ること自体をやめてしまいます。
ここに日本人のマネーリテラシーの低さの根源的な要因があると考えています。
私はYouTubeやブログでお金に関する情報発信を続けています。
しかしいくら情報があっても、その情報得る人はほんの1部だと言うのが僕の体感です。
多くの人は情報があっても取ろうとすらしません。
これが今の日本の金融業界の課題ではないかと考えています。
環境自体を変えるしかない。
お金を身近に感じるような仕組みを作ったり、子供の頃からお金の授業をしたり、今のファイナンシャルプランナー以外のお金の職業を作ったり、そのような根本的な対策を講じない限り日本人の真似リテラシーはなかなか向上しないと思います。
僕は少しでも日本人の真似リテラシー向上に貢献したいと考えています。
今はお金について知識を得て、自分のお金を有効的に運用し、将来に備えることがとても重要な時代になっているからです。
お金や投資について、勉強しやすい環境作りを今後も継続していきたいと思っています。