今回は、資産運用初心者の方向けに、具体的なケーススタディを元にどのように貯蓄の判断を下していけば良いのかについて1つの例をご紹介致します。
お示しする投資判断はあくまでも1例です。
このやり方しかないという訳ではありません。
資産運用は、その人のバックボーンや目的、性格によっても変わるものです。
参考程度に学んで頂ければ幸いです!
資産運用初心者向け【貯蓄を増やす実例】
【前提】
貯金100万円(他に金融資産は無し)
毎月3万円の積立が可能
上記の条件の場合で進めて行きます。
まず貯金が100万円ある状態ですが、他には金融商品は持っていません。
また毎月3万円を貯蓄に回すことが出来るという前提です。
まずは貯金100万円をどうするか?
当然ですが、まずは銀行にある100万円をどうするかについて考えなければなりません。
僕の答えは、
貯金100万円はそのままおとなしく銀行に預けておきます(^ω^)
理由ですが、なけなしの100万円を投資に回してもろくな結果にならないからです。。。
そんなことを言うと元も子もないかもしれませんが事実です。
100万円ではまだ分散投資できません。
もう1つは、貯金100万円には生活防衛資金としての役割があるからです。
いくら収入が安定していたとしても、人生はイレギュラーなことが起こるものです。
もしもの緊急予備資金として、100万円は銀行にとっておいた方が良いでしょう。
例えば、車の買い替え資金、マイホームの頭金、結婚資金、突然の入院や怪我など急な出費はいつ起こるかわかりません。
逆に言えば、100万円を超えた部分の預金は投資に回しても良いと考えています。
特に今は預金金利が低いですから、銀行にはなるべく預けない戦略をとった方が良いでしょう。
問題は毎月3万円で貯蓄をどうやって増やしていくか?
問題は、毎月3万円貯金できるとしてどのように資産運用していけば良いかです。
ここは迷われる方が多いと思います。
まずどのような選択肢があるかを下の図に示しておきます。
※銀行預金以外でどのような資産運用方法があるかを詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照下さい→銀行以外で資産運用する方法6選
この他にも、事業投資系や、仮想通貨、ロボット投資など探せば色々ありますが、中心となるのは上記に示した方法になります。
この中で何を選んでいけば良いかを判断していこうと思います。
まず、社内預金と自社株ですがこの2つは会社によってかなりスペックが変わります。
例えば、大手の中でもトップに入るような上場企業で福利厚生が良い会社の場合ですと社内預金の金利がとても高い場合もあります。
しかし、多くの方には当てはまらないでしょうから、ひとまず上の2つの選択肢(社内預金と自社株)は除外させて頂きます。
それではこれからどのように運用先を判断していくかを解説して行きたいと思います。
投資判断は大きく3つあります。
- リスク
- 利回り
- 資金の流動性
【ポイント①】資産運用初心者はリスクについての考え方を知る
まずはじめにお伝えしなければならないことは、資産運用においてリスクをゼロにすることは出来ないと言う事です。
「当たり前じゃん」
と思うかもしれませんが、多くの人が頭では分かっていても、実際の判断の場になるとリスクゼロを求めてしまうことが少なくありません。
例えば次のような言葉はよく聞きます。
「見えないリスクがあるのでこれはやめておきます」
と言うような言葉です。
この言葉は、合理的とは言えません。
なぜなら投資には必ず見えないリスクがあるからです。
リスクを完全に把握するのは不可能ですし、コントロールする事も出来ません。
これは初心者の方が陥りやすい思考ですので注意が必要です。
資産運用は、あくまでも経済的合理性で判断するべきです。
つまり、リターンとリスクを天秤にかけてやるかどうかを検討するべきだと言う事です。
ここまでが一般論ですが、今回のケースについて考えてみます。
毎月3万円の貯蓄をどの程度のリスクに晒せるのか?
今回のケースでは、銀行預金が100万円のみで、毎月3万円の貯蓄をスタートすると言う前提です。
ですから、毎月3万円の貯蓄は中長期的な資金の土台になります。
つまり、無くしてはいけないお金と言う位置付けになります。
例えば、他にも金融商品を持っていて、さらに毎月3万円の余剰資金があるケースなら多少のリスクにされす事は選択できるでしょう。
しかし、なけなしの100万円しかない状態で、毎月の貯蓄をリスクに晒すべきではありません。
と言う事で、なるべく堅い運用先を選ぶべきでしょう。
一番堅い運用先は、保険の積立商品、次がオフショア、イデコや積立ニーサや投資信託と続きます。
イデコや積立ニーサは当然、なんの商品を選択するかによってリスクは変わります。
【ポイント②】利回りについて考える
続いて利回りについてですが、利回りは将来の話ですから確実な事は言えません。
しかし、過去の実績やデータを参考にすると良いでしょう。
例えば、投資信託で言えばSP500と言う商品は長期投資に向いています。
SP500とは、アメリカの主要銘柄の指数のことで、日本における日経平均のようなものです。
アメリカの中心となる企業の成長を買うことができます。
なんだかんだアメリカの企業も経済も世界一です。
グローバル企業の時価総額ランキング(世界)を見ると、グーグル、アマゾン、フェイスブック、ウォルマート、バークシャーハサウェイなど上位はほとんどがアメリカの企業となっています。
さらに、ここ10年ほどで急成長している、ウーバーやエアビーアンドビーも2社ともアメリカの会社です。
自動運転のテスラもアメリカです。
今後もしばらくアメリカが世界の中心でしょうから、その成長を買うことができるsp500なら長期的に資産価値が上がる確率は高いでしょう。
実際、過去30年の長期で見ても年率7%ほどで成長し続けています。
利回りについて見ると、保険の積立が一番低く次が、積立ニーサ、オフショア、投資信託のどれかになります(運用成績によって変わります)
【ポイント③】資金の流動性について考える
資産運用をする際に、考えるべき3点目は資金の流動性についてです。
今回は、毎月3万円を積立ていく前提ですから流動性は非常に重要性です。
例えば、3万円の貯蓄以外にもすでにいつでも現金化できる金融資産を持っている場合なら、資金の流動性を考える必要はないかもしれません。
しかし、銀行預金にある100万円以外では初めて貯金するケースなら、中長期的にいつでも現金化しやすくしておく必要があります。
マイホームの頭金、結婚資金、車の買い替え資金など緊急予備資金としての役割があるからです。
もう一度今回の選択しを出しますが、
この中で注意しなければならないのは、イデコ、投資信託、オフショアです。
この3つは資金の流動性でリスクがあります。
イデコは、60歳までは基本的に引き出すことができません。
万が一、途中で現金が必要になったとしても使えないのはリスクでしょう。
また投資信託と、オフショアは、途中で積立をやめたり、解約したいすると手数料が大きく掛かる可能性があります。
せっかく期待利回りが高い商品だとしても、途中解約で大きく手数料が発生し元本割れするケースもあります。
投資信託とオフショアは特に気をつけなければならないです。
といことで、まずイデコは今回のケースでは選択肢から外します。
投資信託とオフショアはケースバイケースです。
まとめ
まとめますと、現金100万円はそのまま銀行預金にしておきます。
毎月の3万円は、資金の流動性、リスク、リターンを考えれば、
ニーサ、オフショア、保険の外貨積立
の3つから選べば良いでしょう。
ただし、オフショアは途中解約の手数料が特に大きい傾向にありますので長期間積立続けることができる範囲でやるのが良いと思います。
参考にして頂ければと思います。