貯蓄型保険で大損するのはこんな人
貯蓄型保険は、銀行預金よりも金利が高く、なおかつ元本割れのリスクが殆ど無いため(外貨の場合為替リスクを考慮する必要はありますが)、中長期的な資金の積立に適した金融商品です。
45歳の独身女性Hさんの話です。
Hさんは、45歳で転職を機に入ってきた退職金を運用する目的で貯蓄型保険に加入しました。年払いで100万円を10年間支払う商品でした。
退職金が1,000万円あり、銀行に眠らせるのは勿体無いので金利が少しでも高い外貨建ての終身保険で積立を始めたのです。
払込は10年間で毎年100万円を10年間支払う(計1,000万円)というプランです。
しかし、Hさんは担当者との折り合いが悪く、加入して半年で感情に任せて解約してしまったのです。
結果的に、解約返戻金は一切なくHさんはただ100万円損しただけでした。
このようなケースは非常に稀ですが、貯蓄型保険に加入して損するケースとして「早期解約」した場合が考えられます。
どのような商品であれ貯蓄型保険に加入して、2、3年(目安5年以内)で解約すると、殆どのケースで損してしまいます。
保険とはそのような性質の金融商品なのです。
私がある上場企業で講演した際の相談
ある企業の社員向けに、FP講演を依頼された時の話です。
当日は90名弱の社員が集まっており、分散投資や長期投資、金融商品の分類の仕方などについてお伝えしました。
そこで一番多かった質問は、株式投資についてと銀行預金に貯金しているお金を運用する方法が分からないという2つに集約されます。
投資といえばまず思い浮かぶのが、株式投資の様です。株式投資は一般的ですが、投資の中でもかなりハイリスクな投資です。
売買目的ではなく配当目的であったとしても、今は上場会社でさえ倒産してしまう時代です。安心感はないでしょう。余剰資金を当てるべきです。
株式投資は、向いている人がいます。数字が好きで、会社の経営に興味があり、日本経済などの動向などの情報収集が好きなどです。短期売買か長期売買かなどで違っては来ますが、株は会社経営や経済に関心がなければそもそも向いていませんのでやるべきではありません。
投資には向き不向きがあります。
銀行預金は短期資金のみ保管するべき
銀行預金は、いまだに資産の大部分を預けている人が多いです。
しかし、お金を預けるという事は運用しているという認識を持つ必要があります。
例えば、100万円を普通預金に預けているという事は100万円を運用しているという事です。1年間に3、4時間外手数料などを引かれたとすると、1,000円近く減ることになります。
つまり、銀行預金はもはや元本割れの金融商品であることを認識しておかなければなりません。
もちろん、株やFXなどのように一気に資産が減る可能性はありませんが、それだけです。今の時代銀行預金は必要最低限にするべきでしょう。
ズバリ銀行預金に適している資金は、短期資金です。
短期資金とは、すでに使い道が決まっているお金です。目安として3年以内に支払い予定のある資金です。
中期、長期的資金で無くしてはいけないお金は貯蓄型保険で良いでしょう。理由は後述していきます。
お金を分類する視点として、短期、中期、長期の3つで考えると分かりやすいです。
お金は短期、中期、長期で考えると分かりやすい
お金は短期、中期、長期の3つの分類すると把握しやすくなります。
資産運用や貯蓄においては、どこをゴールにするかは非常に大切になります。
一生懸命貯金したのは良いけれど、将来結局働き続ける老後が待っていたということでは、意味がありません。
「何の問題を解決するために資産運用するのか」
は非常に重要です。
今の時代、最大の問題は「老後の生活資金」です。つまり長期資金が問題です。短期資金、中期資金は収入を得る事ができる現役中の話ですが、老後の収入は年金です。
年金で生活できる世の中はすでに終わっています。どの程度の年金をもらうことが出来るかは、
老後資金は貯金では解決できないなどをご参考下さい。
保険の積立が適しているのは、中期資金と長期資金です。つまり、今の時点で使い道は決まっていないお金です。
保険の商品特性上、早期解約などは損するリスクが高いため、そもそも短期資金には向いていませんから、中期、長期資金の運用に向いています。
銀行預金よりははるかに高い利率で運用できますので、短期資金のみ銀行預金に保管しておき、残りの資金の、無くしてはいけない資金は保険積立を活用し、余剰資金は積極的な資産運用に回していくスタイルが良いでしょう。
短期、中期、長期資金をベストなバランスで、効率良く資産運用し、なおかつ老後の生活費問題も解決出来る強固な経済基盤を作る資産構築法もあります。
具体的に知りたい方は、私のFP相談を受けて下さい。有料でしかお伝えしていない情報がたくさんあります。
最も多い相談は、「攻め」の投資に踏み切れない事
マイナス金利など、今までの常識では考えられない様な事態が起きています。
お金に対する常識も今後、みるみる変わっていくでしょう。茹でガエルと同じですが、目に見える変化は僅かでも、蓄積されて行きますので気付いた時には手遅れの状態になる人が大多数になるはずです。
何が言いたいかと言いますと、65歳以降も生活するために働き続ける事になる人が大多数になると言うことです。
今までと同じ様なお金に対する感覚では、間違いなく老後の資金は不足します。
積極的に資産形成し、十分な資産を気付いた一部の人だけが悠々自適な老後を過ごせると言う常識に変わるはずです。
それは今の年金財政や政府が発信しているメッセージを掘り下げていけば明らかです。
現に、FP相談で一番多いのは、20代、30代の人の老後の資金問題を解決したいと言う相談です。
気付いた人から、一抜けたと言う世界になりつつあるのです。
「守りの資産運用だけ」は超ハイリスクな時代に
保険の積立は、銀行預金よりも金利が高く、安全性も非常に高いため人気があります。
経済的なベースとして無くしてはいけない資金であれば、短期資金は預金、中長期資金は保険に預けると言う分類で良いでしょう。
しかし、それだけでは大きな資産形成は不可能です。
1000万円が1500万円になったところで、老後の問題は何も解決出来ないからです。
まさにリスクを全く取らないことが、将来大きなリスクとなる時代です。
世間には、すでに資金問題を解決している人が沢山います。資産運用はいかに時間を味方につけるかが勝負ですから、1日でも早く始めた方が圧倒的に有利になります。
早いうちに始めたほど、リカバリーが聴きやすく、運用期間も長く取れるためリスクもリターンもどちらも有利に働くからです。