20代、30代に知ってほしい!「一億総活躍社会の実現に向けて」の本当の意味

20代、30代に知ってほしい!「一億総活躍社会の実現に向けて」の本当の意味

2015年10月に発足した第三次安倍晋三改造内閣の目玉として大々的に打ち出されたプランが、

「一億総活躍社会の実現」です。

活躍と聞くと良いイメージに聞こえますが、その本質的な意味について考えてみたいと思います。

特に20代、30代の若い世代は決して人ごとではない話です。

1,政府が目指している「一億総活躍社会」とは


20代、30代に知ってほしい!一億総活躍とは

引用:厚生労働省HP

「一億総活躍社会の実現に向けて」にはこのように書いてあります。

厚生労働省では、少子高齢化の流れに歯止めをかけ、誰もが活躍できる「一億総活躍社会」を創り上げるため、平成27年10月16日に「厚生労働省一億総活躍社会実現本部」を設置しました。  同実現本部では、国民一人ひとり、子どもや高齢者も含めた誰もが、家庭で、職場で、地域で、活躍する場所があり、将来の夢や希望に向けて取り組む社会を実現するための「新・三本の矢」の施策を検討することとしています。

なんだか聞こえは良いですよね。

活躍する場所というと、とても良いイメージですが、

要するに、「働く場所」と言い換える事ができます。決して悠々自適にゴルフすることを指している訳ではありません。。。

今まで65才上の高齢者は、働く必要はなく、消費だけの悠々自適な老後生活を送る事が出来ました。しかしこれからは消費だけの生活ではなく、しっかり働いて税金を納めて活躍して下さい。

という意味です。

国は、高齢者が定年する事なく働き続ける事ができる社会を目指しているのです。

理由は、年金財政が維持できないからです。

もはや年金で悠々自適な老後を過ごせる時代では無いのです。

▶︎実際の年金受給額データを厚生労働省が公表していますので、そちらもご参考下さい→会社員の年金受給額はいくらくらいなのか?【実際のデータ公開】

2,少子高齢化問題の本質は「生産年齢人口の減少」にある


下の図をご覧ください。国が発表している2100年までの日本の総人口における高齢者(65才以上)の割合です。

もらえる/年金は/いくら

平成26年度財政検証レポートより抜粋

日本は各国と比較してダントツで高齢化が進むことが分かります。

この推移予測は、現在の出生率などを元に算出したデータですので、いきなりベビーブームが何年も続くなどの事が無い限りかなり正確な数値と考えられます。

日本は、2080年頃まで高齢化が進む事が予想されていますから、今の現役世代はもっとも財政が厳しい時代を生きる事になるでしょう。

特に20代、30代の若い世代は大きな影響がありそうですね。。。

続いて、生産年齢人口の割合を見てみます。こちらも衝撃的な推移となっています。。。

生産年齢人口とは、15才〜64才までの人口推移をあらわしています。つまり現在の労働人口です。働いて厚生年金保険料や社会保険料を支払っている世代です。

政府がなぜ一億総活躍を目指しているのかは、このデータで分かります。

20代、30代は知ってほしい。一億総活躍社会の本質

引用:国立社会保障・人口問題研究所

一番上の折れ線グラフが、生産年齢人口の推移ですが、2060年にかけて急速に減少していますね。

これからの日本は、働いて税金を納める人の割合がどんどん減っていくことをあらわしています。

つまり、政府からすると、収入はどんどん落ち込み反対に、支出は劇的に増えていく状態なのです。

一般家庭で言えば、一家の大黒柱である父親の収入が減り、一方で子供がどんどん増えるような話です。

日本は現在でも、財政赤字で毎年国債残高が増えて問題になっているんです。

それが、ますますそれも今とは比べ物にならない位のペースで悪くなる事が確実視されているのです。

これで、年金財政が持つはずがありません。

3,この財政状況で破綻しないのは日本だから、でも…


正直、今の日本の財政状況で破綻しないのが凄い事です。

DGP(国内総生産)500兆円に対して、国債発行残高(政府の借金)は1200兆円ですから。

収入の倍借金がある訳です。

ギリシャは、国債残高がGDP比180%弱で経済破綻しました。

日本はすでに240%です。。。

もちろん日本とギリシャでは経済状態が全く異なります。

日本の国債を持っているのは、ほぼ日本人ですし、円建てです。いざという時には、日本銀行がお金をすれば償還出来なくは無いでしょう。

ですから、理論的には償還不能になってギリシャのような経済破綻することは無いかもしれません。

また日本には莫大な借金と同じくらいの資産も持っていますから、
財産を換金すれば現在の借金は全て完済できてしまうかもしれません。

しかし、僕は正直そんな話はどうでも良いと考えてます。

少し語弊があるかもしれませんが、経済破綻するかしないかを心配することよりも、
これから僕たちの生活がどの様に変わるのかや、今政府がどの様な社会を目指しているのか
の方が実質的には遥かに影響があります。

税金や年金などの社会保障は、国民生活のベースですから。

実際、今の財政赤字が継続すればいつかは必ず破綻します。永遠に国債を発行し続けられないことは誰でも分かる話です。歴史上そんな国は1つも無いのですから。

いつかは、財政赤字を止めなければならないのです。

日本は大丈夫などと楽観視していて、いざ定年する年齢になってから、
年金では生活できない事に気付いたとしても、もはや茹でガエル状態です。

完全に手遅れですから、その時には諦めて死ぬまで働き続けるしかありません。

4,20代、30代は1日でも早く資産運用するべき


一億総活躍社会とは、国民全員が働いて税金を納める社会を目指す事です。

それが本質なのです。

財政赤字、年金財政、国債発行残高、社会保障問題など、本質は全て少子高齢化にあります。

生産年齢人口の減少が問題の核になっています。

根本的に世の中を変えるしかありません。

65歳で定年する事なく、国民全員が働いて自分の生活費を自分で稼ぐ社会の実現が、
一億総活躍であり、生涯現役、高齢者雇用促進という言葉の意味です。

全くリスクを取らずに、安全な資産運用のみで少し財産を増やしたところで、
今の時代ナンセンスです。

これまでよりも、積極的に資産運用について勉強し、情報収集し金融リテラシーを
あげた人間だけが、今まで通り悠々自適な老後を迎えることが出来ると思っています。

何もしないことが、とてつもないリスクなのですから。

若い世代のかたは、1日でも早く将来の自分のために資産運用について
情報収集するべきだと強く思います。

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