1.30代独身女性は将来設計が難しい
FP相談など受けていると、30代独身女性のライフプランは非常に難しいことがよくあります。お金の話だけではなく、将来設計が立てにくいという特徴があるからです。
男性の場合は比較的、将来の計画が立てやすいです。
人生には様々なイベントやリスクがありますが、何をするにもお金が付きまといます。結婚しても、子供が生まれても、転職してもとにかく現金が必要になってきます。
お金という面では男性は基本働き続けることが前提です。子供が生まれても仕事を辞めることはありません。そういう面で男性の方がライフプランを立てやすいという特徴があります。
一方で女性の場合は将来の経済面で見通しを立てずらいという側面があります。これから先に何が起きたらどの程度の資金が必要になるかは、大体分かります。しかし将来の経済状態を把握するのは難しいのです。
例えば、結婚するか、独身かで大きく経済状態は変わります。結婚相手の収入により変動するからです。また子供が生まれれば働きたくても、働けなくなる可能性が高いですから、将来のキャリアという面でも不確定要素があります。
この様に、女性と男性ではライフプランで考えなければならないことが違ってきます。特に20代後半〜30代の独身女性にとっては悩みのひとつでしょう。今回は30代独身女性の経済面のみではなくライフプランとしてどの様に考えていけば良いのかのヒントになればと思い記事をまとめます。
2.結婚をどう考えるか
結婚は人生の最大のイベントとも言えます。人生が大きく変わるだけではなく生活スタイルや、経済的な要素も大きく変わる可能性があります。何事もまずは現状把握から始めると良いですからまずは現在の結婚年齢などを確認してみます。
お金の面から考える結婚だけではなく、ライフプラン上で結婚というイベントが人生にどの様な影響があるかについても考えてみたいと思います。
2-1 将来設計としての結婚
まず厚生労働省が出している初婚年齢の平均を出してみます。
最新版が2014年までしか見当たらなかったのでこちらを載せます。
棒グラフが初婚年齢を表していますが、女性の初婚平均年齢は2014年で29.4才ということです。右肩上がりに上昇していますから、年々晩婚化が進んでいるという事でしょう。
折れ線グラフは、出産年齢です。第一子から第三子まであります。結婚年齢が遅くなっていますから、当然ですが出産年齢も遅くなっています。
晩婚化は男女問わず傾向があります。経済的理由もあるかもしれませんが女性の場合、結婚を機に仕事を辞めなければならないケースもあります。最近では勤務地などの融通が聞く企業が増えてきていますがそれでも不安はあるでしょう。良く「仕事をとるか、結婚をとるか」という様な言われ方がされますが、まさにその様な気持ちになるのも頷けます。
「一生働き続ける訳でもないけど、仕事は一生懸命したい。でもそうなるとなかなか結婚に踏み出せない」
という悩みは良くあります。目の前の仕事を一生懸命やってキャリアを積み重ねたいけれど、いずれ辞めるのが分かっているのならキャリアは捨てて違うことをやってみたいなどです。
結婚相手は現れるもの
結婚相手は見つけるものでは無く、現れるものです。婚活を辞めた瞬間に結婚相手が見つかったという話は良く聞きます。また何年も付き合ってから結婚する訳でもありません。僕は会って3ヶ月目にプロポーズしましたし(笑)そこまで極端では無いかもしれませんが、結婚した理由を尋ねると殆どの人が「フィーリング」なのです。色々な理屈はあるかもしれませんが、突き詰めていくと結局「フィーリング」です。会った瞬間に「この人と結婚するな」と感じると言う事です。
子供が生まれるのと同じですが、まさに神のみぞ知る領域です。どこかに結婚相手は必ずいてその人といつ繋がるかと言うだけの話です。一生独身の人はそれが運命で初めから決まっています。結婚する年齢や相手も初めから決まっていてその定めに従うしかありません。
スピリチュアルみたいになってしまいまいたが、僕は宗教など一切やっていません。多くに人の話を聞く中で出した結論です。
ですから、焦っても焦らなくても結果は同じです。多くの人に会えば結婚できる可能性が高まる訳でもありません。そもそも結婚する必要性を感じていないから婚活しないのです。本当に結婚したいと思えば大した時間もかからずに相手は現れます。婚活している人は必要性を感じているからしているだけです。どちらも間違いでは無いです。ただやってもやらなくても結婚に関しては結果は同じだと言うことをお伝えしたいのです。
結婚と子供は運命ですから、焦る必要は全くありません。それよりも心の声にしたがって今自分が本当にやりたいと思っている事に全力で取り組むことが人生において最も大切な事なのです。
2-2 結婚式にかかる費用はどの程度か
結婚式にかかる費用について調べましたのでご紹介します。
結婚式と披露宴総額でどの程度の費用が掛かったかを円グラフで表しています。平均額というよりも全体を示した方が分かりやすいでしょう。
東京都内であれば100人規模なら300万円以上はかかるのが当たり前の様ですが、300万円以上かけているのは全体の15%程です。
ホテルでやるのか、ゲストハウス形式の結婚式場でやるのかで価格はかなり変わります。ホテルは高くなる傾向があります。
今の時代を象徴しているのかお金をかけて派手にする人は少なくなってきているようです。
2-3 独身女性は経済的自立を優先するべき
中には、結婚相手に養ってもらう予定で自分では特に資産運用などしていないという方もいるでしょう。
また積極的に投資するなどの行為自体に恥ずかしさや後ろめたさなど周囲の目が気になることもあるかもしれません。
しかし、今の時代はそんなことも言っていられなくなっています。ライフプランを考える際に重要なのは、優先順位を決めることです。
一番最悪な状況はどんな状況なのかを検討し、そのリスクの被害を最小限にする為に考えることが大事です。
男女問わずですが、これからの時代に問題となるのは独居老人です。
そして貧乏な独居老人問題が間違いなく起こってきます。なぜなら年金で生活できな世の中になるからです。少子高齢化が進み年金制度は今まで通りには維持できません。
万が一独身で老後を迎えた場合一人暮らしの独居老人になります。さらにお金が無かったらどうでしょうか。それこそ悲惨な老後になってしまいます。
将来、結婚するかしないか、仕事を辞めるか辞めないか、子供がいるかいないかなどの問題よりもはるかに生活に直結する問題なのです。
だからこそ、今の時代は男女問わず経済的に自立しておく必要があります。結婚や出産などは人生におけるプラスαで素晴らしいことです。
しかし、お金がない独居老人ほど悲惨な人生はありません。それだけは無いように経済的自己防衛をするべきです。
女性であってもなるべく早いうちから、出来る限り資産を増やす努力をしておいた方が良いでしょう。
3.出産から育児による退職について
出産という大きなイベントでも女性の人生は大きく左右されます。結婚は大きなイベントですが、生活スタイル自体はそこまで大きく変えずに済みます。
しかし、子供が生まれた瞬間大きくライフスタイル自体が変わります。子供中心お生活スタイルです。自分一人の人生から子供との人生にシフトしていくことになります。
経済的な面では、女性の場合多くは仕事を辞めるか、休職することになります。実家が近くにあるなどサポートしてくれる人がいれば、復職出来るかもしれません。
しかし、サポートが受けられないような環境だった場合、復職といっても1,2年は仕事を休まなければなりません。
キャリアもストップしますし、復職後の働き方も問題になります。またFP相談で多いケースとして、休職中に退職するというケースがあります。このケースは意外と多いです。
休職中は、会社により基本給の一部が支給され続けます。
そこで復職の目処が立たない場合そのまま退職するというパターンです。産休、育休とはいえ給料をもらい続けることに後ろめたさを感じる方が多いことも原因です。また一人目の育休中に二人目を妊娠してそのまま退職すると言うパターンもあります。
まさに私の妻はそのケースでした。制度的には継続して育休が取れるのですが流石に申し訳ないと言うことで会社を退職しました。
また復職したとしても、仕事と育児の両立は並大抵ではありません。残業などは難しいでしょう。何れにしても、復職後は収入面では下がる人が多いです。
産休手当や育児手当について
出産手当や育児手当はきちんと満額貰うべきです。多くの女性が育児手当てを会社から支給されることに後ろめたさを感じてくるようです。初めはよくても期間が長くなって復職するかどうかも分からなくなってくると後ろめたさを感じるようです。
しかし、安易に退職してしまうといざ働来たい時に再就職しなければなりません。看護師などの国家資格を持っていれば問題ありませんが、会社員だった場合正社員として再就職できたとしても確実に収入は下がるでしょう。パートや契約社員ならさらに条件は悪くなります。
会社によって期間が違いますが貰えるだけ貰っておくと言う話ではなく、復職できる期間は最長まで取っておいた方が良いと言う話です。
4.独身女性の働き方
女性の働き方と結婚は実は大きな悩みの種になる可能性があります。
簡単に言うと自分よりも仕事のできない男性と結婚する女性が少ないと言う点と、男性も自分よりも仕事の出来る女性を好まないと言う点です。
お互い好まないのですから結婚するケースは稀でしょう。
ですから仕事の出来る女性やキャリアアップを目指している野望のある女性の場合結婚が遅れる傾向があります。具体的なデータなどは見当たらなかったのですが、キャリアウーマンほど晩婚化なのは体感としては間違いなくあります。
問題は「バリバリ働ける年齢と子育ての年齢が同じ」と言う点です。特に30代は仕事が楽しくなって頑張りたいと言う女性は結婚というよりも子育てでキャリアを捨てる事に決断がいるようです。
本当にやりたいことをやるのが人生
結婚も出産も人生における重要なイベントではありますが、必ず必要なものではありません。今はずっと独身の方も多いです。大切なのは自分の価値観を知ることです。自分が本当に大事にしているのは何なのかを知ることです。それは自己分析しかありません。自分のことを知らない人は意外と多いものです。一度自己分析してみて自分が本当にやりたいことや将来どうなりたいかを真剣に考えてみることをお勧めします。
もし、今仕事が楽しくてもっと頑張りたいというのであれば少なくとも子供は作らない方が良いでしょう。結婚しても仕事ができる相手が現れるまで結婚するべきでもありません。自分にとって一番大事にしたいものは何かを考えて、優先順位をつけることです。そうすれば頭もすっきりと整理され悩みも減っていきます。
自己分析の仕方などはネット上でも書籍でもたくさんの情報があります。まずはどれでも良いので初めてみると良いでしょう。
もし自己分析のやり方など知りたいということでしたら、問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい。できる限りサポート致します。
※相談内容に「自己分析について知りたい」という旨を記載してお送り下さい。
5.もし一生独身だった場合のライフプラン
もし一生独身だった場合のライフプランはどうなるのか考えたことはあるでしょうか。
あまり考えたくない人もいるかも知れませんが、これから日本の社会問題になる可能性が高いですからしっかりと考えておくべきです。
まず結婚しても、独身でも一人一人が経済的に自立できていることは望ましい事です。今の時代、収入のあるうちにコツコツと資産作りをしておかなければ将来働き続けることになる時代ですから、どちらにしても資産形成は必要です。
最悪のケースは老後に一人暮らしでお金もないという状態です。若い年代のようにバリバリ働くことは出来ませんし、できれば老後は趣味や旅行など悠々自適に過ごしたいものです。
今までは年金で悠々自適な老後が全ての国民に保証されていましたが、これからは違います。
年金では生活費さえ賄いない事は国も間接的に情報発信しています。それが「生涯現役」「高齢者雇用促進」という言葉に表れています。
一部のお金持ちや現役中から十分な蓄えをしていた人のみが悠々自適な老後を過ごせる時代です。
貧乏な独居老人ほど寂しい最後はありません。
一生涯独身で生きる場合は少しでも早いうちから積極的に資産形成に関する情報収集をするべきです。女性は長生きですから、取り崩し方式の現金預金よりも毎月固定で収入が入ってくるような資産を持つと良いでしょう。お金も持ち方を変えるだけで将来の安心感が変わります。
例えば、2000万円の現金を貯金しているのと、2000万円の土地から家賃収入が毎月10万円入ってくるのでは安心感が違います。
現金2000万円は毎月10万円使えば約16年(200ヶ月)でゼロになります。しかし、同じ2000万円でも土地として所有しておけば死ぬまで毎月10万円が入ってきます。
このようにお金をどのような資産に変えておくかは非常に重要です。確実に資産形成するには時間を味方につけるしかありません。早いうちから情報収集していきましょう。