学資保険で積立をおすすめしない2つの理由

はじめに


私は学資保険は加入していません。
もちろん学資的な貯金は必要だと思っています。

学資の為に貯金することができる積立保険には加入しています。

「将来の教育資金が不足しないか心配」

「学資保険の積立は実際お得なのか?」

というご質問は小さなお子様をお持ちのご家庭からは良くある質問です。

今の時代子供にはどの位の教育資金が必要か?を参照下さい。

そんな学資保険について僕の意見を書いてみようと思います。
あくまでも個人的見解ですから全てでは無いですし、他の意見が間違っているということではありませんのでその点はご了承下さい。

僕の意見は、学資保険での積立は教育費用の貯金(資産形成)には向いていないというものです。

実は学資保険は積立目的には不向き


【動画】学資保険はあり?なし?

そもそも学資保険とは


学資保険とは、子供の教育費準備のための貯金(資産形成)用の保険です。
基本的仕組みは、積立型の生命保険と同じです。

毎月決まった保険料を支払い、子供の年齢に合わせて祝い金や満期学資金を
受け取れるようになっていますので、
入学金などの教育資金として貯金(資産形成)できる商品です。

例えば、大学受験の際には受験対策費用や受験費用、入学金などまとまった資金が必要になりますから、高校3年生の年齢の時に一時金が受け取れるよう設定してあったりします。

もう1つの特徴は、学資保険という名の通り、
子供が病気や怪我で病院にかかった時などに

給付金を受け取れるといういわゆる医療保険がセットでついている商品もあります。

学資保険は、貯金(資産形成)と医療保険などの保障を両立できる商品という訳です。

下の図はNTTコムリサーチのアンケート調査結果です。
幅広い年代の約1000人に対して調査が行われています。

何らかの学資保険に加入している人は、全体の57%という結果でした。

学資保険の加入状況

(引用元:https://research.nttcoms.com/database/data/001583/

やはり学資保険による積立貯金は人気があるようですね。

実際、教育費負担は年々増加傾向にあります。

私立、公立含め授業料は年々上がっていますし、
学校教育だけではなく習い事などの費用負担まで考えると
一人当たりに掛かる教育費は相当な出費になるでしょう。

「子供にはしっかりとした教育を受けさせてあげたい」

というのは当然の親心です。

将来受けさせたい教育を受けさせることが出来ないという悲しい事にならないよう早めの準備が必要です。

学資保険に加入するメリット


一般的な学資保険による積立貯金のメリットについてまとめてみます。

  • 普通に貯金するよりも金利が高い
  • 税金の控除がある
  • 子供の万が一の際に給付金が受け取れる(資産形成になる)
  • 子供の入学などのタイミングで祝い金などを受け取れる
  • 天引きで積立できる為、強制的に貯金できる

などが学資保険による積立貯金のメリットして言われているポイントです。

学資保険とはその名の通り「貯金(資産形成)」と「保険」がセットになっている商品です。
子供の教育資金としても準備出来ますし、万一の為の保障にもなっています。

一見良さそうですし、話を聞けば加入しても良いかなと感じるかもしれませんが、私は加入する合理的な理由は無いと考えています。

その理由を書いて行きたいと思います。

学資保険のデメリット


目的は教育資金準備のための積立

なぜ学資保険に加入するのかを考えて欲しいのですが、
子供の教育資金の為の貯金(資産形成)が目的だと思います。

多くの親御さんは子供が入院した時や万が一死亡した時の
経済的保障が必要だと思ってはいません。

実際子供に万が一があっても医療費などは掛かるかもしれませんが、
致命的な経済的なダメージはありません。

子供の医療保険を用意するなら収入の柱であるご両親の保障を手厚くした方が合理的ですし、
保険の目的に合っています。

また医療給付があると聞くと良いように感じますが、その分のコストがかかっています。
そのコストの分だけ積立率は低下してしまいます。

実際多くの学資保険は積立と言いながら、
支払い総額に対して、積立られている金額(返戻率)は低くなっている商品が多いです。

総支払額に対して、80%であったり、90%です。
貯金(資産形成)目的で考えれば、減らないだけ銀行預金の方がまだマシです。

目的を明確にすると、学資保険による積立は非常に中途半端な商品と言えます。

子供の医療費目的なら学資保険はやめた方が良い理由

そもそもどうしても子供に医療保険をつけたいなら、
学資保険ではなく通常の医療保険に加入することをおすすめします。

学資保険には満期があります。
つまり設定した期間がくれば終わりを迎える商品です。

大学卒業の22歳までなどです。
せっかく加入していた医療保険が22歳で終了してしまいます。

普通に医療保険に加入していれば、
かなり割安の保険料で一生涯の保障を得ることが出来ますから、
いくら安いといっても長期的に見れば負担増になる可能性もあります。

学資保険の積立利率は低い

学資保険の中には、
子供の医療保障がついておらず貯金に特化した商品もあります。

当然ですが、医療保険とセットになっている商品よりも積立率は高くなっています。
しかしそれでもオススメしません。

高くても何とか返戻率が100%を超える程度だからです。
100%程度ですから、普通に銀行に貯金するのとあまり変わりありません。

15年や20年積立てやっと100%を超えなければ単なる天引き貯金ですから、
わざわざ資金の流動性を無くしてまで支払う意義は無いでしょう。

なぜここまで積立利率が低いかというと、
日本の国債金利が低いことが原因です。

保険会社は、お客様から支払われた保険料を運用しています。
大変大きな金額で運用出来ますのでスケールメリットもあります。

実は保険会社の利益構造は、保険募集による直接的な利益よりも
集まった保険料を運用して得られる運用益の方が遥かに大きいです。

その運用益があるからこそ、保障というサービスを提供しながらも支払った保険料総額を顧客に返戻金として戻すことが可能になります。

今世の中は超低金利時代ですから、
保険会社の運用益が出せなくなっています。

殆どをリスクが無い国債で運用していますから、
殆ど増えなくなっているんですね。

そこにマイナス金利政策が追い討ちを掛けて、
運用益はさらに落ちています。
ですからそもそも学資保険のように、日本円のみで運用するような保険会社の積立商品は
入る価値がかなり薄れているといって良いでしょう。

そうはいっても学資保険的な積立は必要


かといって学資の為の貯金(資産形成)は必要です。

私は子供が3人います。
まだそれほど費用負担はありませんが、
これからどんどん増えていきますからやはり何かしら教育資金の為の貯金は必要です。

実際にどのように積立するのが良いのか僕の選択とその理由を書いてみたいと思います。

親が外貨建ての終身保険に加入する


将来の教育資金として貯金(資産形成)する際に、
親が外貨建ての終身保険に加入することは非常に合理的です。

終身保険とは、保障が一生涯ある積立型の保険です。

死亡保障がついていますが、
解約返戻金という積立が可能ですので貯金(資産形成)としても活用できる保険です。

なぜ外貨が良いのかというと、単純に積立利率が高いからです。
上述していますがマイナス金利の今、
日本円の積立商品に殆ど魅力はありません。

支払い総額からマイナスになるか、良くてもとんとんです。

あえて加入する理由は見当たりません。

外貨建ての終身保険に加入するメリットはまとめると以下になります。

  • 学資保険よりも積立利率が高い
  • 引き出し時期の自由度が高い
  • 親の万が一にも備えられる
  • 学資として使わないという選択肢が持てる
  • 使わなかった場合、子供の社会人祝いや結婚式祝い金にできる

以上が、教育資金の積立目的の場合に両親が終身保険に加入することをおすすめする理由です。

積立を目的とするなら、外貨建てを選択するべき理由


なんども書いていますが、
超低金利な上マナス金利が導入されている今の時代、
国債を元に運用する金融商品は不利と言わざるを得ません。

銀行預金や、保険商品、確定拠出年金、投資信託など
安全性を高めている商品は全てでは無いですが、
日本国債で運用されている場合が非常に多いです。

円建ての学資保険や終身保険のような積立型の金融商品は、
積立利率が非常に低い為、貯金(資産形成)には全く向いていません。

一方外貨建てであれば、
日本国債ではなく外国の国債金利が基準ですので積立利率が高いです。

特に米ドル建ての終身保険はオススメです。
外貨というと為替リスクもありますが、
米ドルであればそのリスクを低下させることが出来ます。

米ドル円の相場はもっとも安定した相場ですし、
何と言っても米ドルは世界の基軸通貨です。

私は、長期的に見て日本円を持つよりも米ドルを資産形成として持っておいたほうが安全だと考えています。

引き出し時期の自由度が高い


学資保険は、入学時期などあらかじめ設定した時期に決まった金額を一時金として受け取れるという特徴があります。

しかし、将来いつどの位の金額が掛かるかを
子供が小さい頃から予測するのは不可能と言って良いでしょう。

10年後や20年後にどうなっているかなど誰にも分かりません。

公立であれば、中学受験の時期と大学受験の時期がお金がかかる時期になりますが、
私立であれば、むしろ中学受験でかなりの資金が必要になります。

また掛かってくる費用も進路によって全く異なりますから、
予め設定しておいた金額では不足する可能性もあります。

その点終身保険であれば、必要な時期に必要な金額だけ引き出すことが可能です。

また必要なければ、引き出さずに運用し続ける事も出来ます。
そのまま運用し続ければどんどん解約返戻金は増えていきますので、
子供が成人した時に祝い金としてプレゼントしても良いですし、
その他結婚資金、さらには自分たちの老後の資金としての貯金(資産形成)にする事も可能です。

非常に流動性が高い上に、
積立利率も高いですからわざわざ学資保険に加入する意味はありません。

為替リスクがありますが、
ドル円相場はもっとも安定している相場な上、
米ドルは世界で一番強い通貨です。外貨建て保険積立のすすめを参照ください。資産として米ドルを持っている事自体がとても意味ある事ですので
一石二鳥にも三鳥にもなるでしょう。

学資保険のまとめ


教育資金は、習い事など含めて年々増加傾向にあります。
学校教育における授業料や、国立、私立大学共に入学金、授業料とも確実に上昇しています。
少子高齢化による人口構造の変化がこの傾向をますます加速させる事が予想されます。

特に、中学受験前(私立の場合)、高校受験前、大学受験前から大学時代は教育費がピークを向かえる時期になります。

大学時代などは、下宿が発生するなどすれば年間キャッシュフロー自体赤字になるのが一般的です。

いざその時が来た時に資金不足で慌てることのないように早めの準備が必要です。

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