住宅ローンの選び方を基礎から学ぶ

住宅ローンの基礎を学ぶ

住宅ローンについて動画でも解説していますので、こちらもご覧下さい。

【動画】住宅ローン選びで劇的に家計を改善する

住宅ローン申し込み時には年収等の審査がある

マイホーム購入の基本的流れは、物件探しからはじまります。

「そろそろマイホームを検討しようか」

となると大抵の人は住宅展示場に行くところからスタートするはずです。

そこで住宅メーカーの営業マンと話をして、具体的な話になれば物件の詳細について検討する段階にはいります。
マンションならスムーズですが、一戸建ての場合は内装など細かく決めて行く必要がありますので、打ち合わせだけで何度も足を運ぶ事になります。

いよいよ大詰めにあると、住宅ローンのシミュレーションなどのお金の話も出てくるでしょう。ほとんどの方が、マイホームを住宅ローンで購入します。現金一括で買える方がそうそういないからです。

住宅ローンには審査があります。

住宅ローンを組むと毎月返済が発生しますから、購入者に返済能力がきちんとあるかどうかの判断が、お金を貸す金融機関側にあるからです。

そこで、「この人は返済能力が厳しそうだからもう少し価格を抑えて下さい」という話になるかもしれません。

最悪な場合、金融機関から融資を断られる可能性もあります。

金融機関からすると、何千万というお金を一時的に立替える話ですから、購入者が返済できなければ大きな損失になってしまいます。だからこそ、審査がある訳です。

審査項目には、年収、会社名、勤続年数、個人の信用情報などが含まれます。
およその目安として、年収の8倍までの金額を借りる事ができます。

審査の目安等についてはこちらの記事をお読みください。

住宅ローンに無知すぎる消費者

家計に大きく影響する住宅ローン

住宅ローンの仕組み〜審査に必要な年収の目安など

住宅ローン商品で一番有名なのは、フラット35でしょう。

住宅金融支援機構という半分国の機関が出している住宅ローン専用の商品です。国土交通省と財務省の所管で運営されています。

長期間固定金利型の住宅ローン商品です。

住宅ローンには金利が有ります。まとまった資金を借りる代わりに、金利分を上乗せして返済することになります。

後ほど解説しますが、住宅ローンの金利は返済額に大きく影響してきます。殆どの方が、何となく住宅ローン商品をメーカーに勧められるがまま契約しているのが現状です。

しかし、少しでも金利を安く購入することでライフプラン状のキャッシュフローは劇的に変わる可能性があるということを知っておいて頂ければと思います。

中には住宅ローンの選び方を間違えて、支払わなくても良かった大金を支払わなければならない人もいますので「情報」として知っておいて損はないでしょう。

住宅ローンの種類

フラット35をはじめとして、住宅ローン商品は世の中に無数にあります。

実は住宅ローン商品を提供している金融機関だけでも1400社以上あります。
その中でも固定金利や変動金利、固定期間選択型団信三大疾病などのオプション付き商品などありますから、世の中にはとんでもない数の住宅ローン商品がある事になります。

その中で自分はどれを選べば良いのか判断するのは非常に難しいでしょう。

ただ、住宅ローンの仕組みを知っておく事である程度選択肢を絞り返済計画を立てる事が出来ます。

購入時に重要なのは、金利の付き方です。
金利は年収や所属している会社によって変動します。
1つの目安として、年収400万円あれば審査には通る可能性が高いでしょう。
(※年収400万円は目安です)

全期間固定、変動、固定期間選択型の3つに大きく分ける事ができます。
どれを選ぶかで返済総額はかなり変わってきます。

また変動金利などはある程度日本経済の状況などを踏まえる必要があります。上手く選べば相当お得にマイホームを購入することも可能でしょう。

フラット35が一番有名だからといって初めから他の選択肢を除外するのは非常にもったい無い事です。

まずは、大きく①固定金利型 ②変動金利型 ③固定期間選択型の違いを見て行きます。
まずは住宅ローンの金利がどのように発生するのかを解説致します。

住宅ローンの金利計算の仕方

住宅ローンの返済方法には2種類ありますが、殆どの方が利用しているのが元利均等返済方式という返済方式です。もう1つは元金均等返済方式と言いますが、一般的では無いですのでここでは割愛します。

元利均等返済方式の特徴は、毎月の返済額が一定になる点です。
まず金利は、元本(借り入れ金額)に対して発生します。

例えば4000万円を利息2%で借りた場合、元本に対して2%の利息が発生しますので、第一回目(初月)返済時の利息は、66,666円となります。

4000万円×2%が1年間につく利息ですから、それを12ヶ月で割ると、66,666円となります。
返済額が10万円一律とすると、第一回目の返済額10万円の内訳は、元本が33,334円、利息が66,666円となります。
10万円返済していますが、元本は33,334円しか減りません。殆ど利息ですね。

第2回目の返済時には、元本が4000万円−33,334円で39,966,666円ですからこの金額に対して利息が2%付きます。
第2回目の利息は、66,611円となります。55円利息が少なくなりました(笑)

一回目の支払いで元本が減った分利息も少なくなるという訳です。
第2回目の返済10万円の内訳は利息66,611円と元本33,389円となります。

このように、毎月残っている元本に対して利息が計算されます

支払い回数を重ねるごとに利息分の割合がへり、元本部分の割合が増えることになります。

これが住宅ローンの金利の計算方法です。実際には日数で細かく金利計算されますが、大方上のイメージで大丈夫です。

①固定金利型とは

固定金利型とはその名の通り、金利が全期間固定されている商品です。

35年ローンの場合35年間同じ金利で返済する事になります。
変動金利と比べて、金利は高めに設定されています。

しかし将来の金利が確定していますので、返済総額が決まるためキャッシュフローの計画が立てやすいメリットがあります。

もう1つは、もし日本が景気が良くなるなどして、市場の金利が上昇しても返済額には影響しません。ある意味安心感があるローン商品です。

こちらの図は、住宅金融支援機構の調査結果です。

住宅ローンの金利タイプのアンケート調査

(引用元:住宅金融支援機構ウェブサイトより

住宅ローンを組んだ人の中で全期間固定金利(フラット35など)を選んだ人の割合は、2017年で12.6%という結果でした。2015年が一番多く、38%という結果でした。

その他の人は、変動金利か、期間選択型を選んでいるということになります。
マイナス金利の影響を受けてか、変動金利を選んでいる人が50%いるという結果になってます。

私は正直この調査結果を見た時に驚きました。
なぜなら変動金利は将来の返済額増のリスクがあるからです。

バンバン繰り上げ返済するあてがあるならまだしも、全期間固定型の方がどう考えても安心感があるからです。

マイナス金利の今が超低金利だからこそ将来的に金利は間違いなく上昇傾向にあるはずですし、変動にするかどうかには慎重にならざるを得ないと考えています。

固定金利型を選択する人の理由は、「金利が上昇して返済額が増える心配がない」という点でしょうか。

住宅ローンの返済額に余裕があり、繰り上げ返済が出来そうなら変動金利もありかもしれません。
繰り上げ返済により、返済期間を短く出来ますので、金利上昇による返済額増加のリスクを最小限にする事ができるからです。

しかし毎月返済額がギリギリで余裕がなく、繰り上げ返済も出来そうにない人は迷わず全期間固定型を選んだ方が良いでしょう。

②変動金利とは

変動金利とは、金利が変動するタイプの商品です。

半年に1度金利が見直されます。市場金利に合わせて、上がったりさがったりします。

変動金利の基準は短期プライムレートという指標が基準になっています。
簡単に言いますと、金融機関が短期でお金を貸し付ける際の最優遇金利の事です。

短期プライムレートを基準に半年ごとに金利を見直すのが変動金利です。

金利計算の仕方の所で書いていますが、金利の計算は元本に対して毎回計算されます。
半年に一度の見直しで、もし金利が上昇していれば毎月の返済額が増える可能性があります。

当然そのような状態が長く続けば、結果的に全期間固定金利型の方が返済総額が安くなる可能性もあります。

ただし、返済開始時点での金利は全期間固定型よりも変動型の方が低いですからスタート時点では変動金利型の方が全期間固定型よりも返済額は少なくてすみます。

変動金利のメリットは、金利上昇がなくそのままの金利で推移すれば全期間固定型よりもかなり返済総額が下がるという点です。

しかし予想以上に金利が上昇してしまった場合、反対に全期間固定型よりも返済総額が増えてしまうリスクもあります。

ですから繰り上げ返済の予定がなく、長期間返済する予定の方は変動金利はリスクがあります。

逆に繰り上げ返済を予定していて、早めに完済しようと考えている方は変動金利も検討の余地があると言うことです。

③固定期間選択型とは

全期間固定型と変動型の中間が固定期間選択型です。

3年とか5年とか10年間のみ固定金利で残期間は変動か固定か選ぶ様な商品が多いです。
一見有利そうですがそうでもありません。

例えば10年間固定にした場合の金利は、変動よりは高く、全期間固定よりは低くなります。また大抵期間終了後の金利も変動を選んでも固定を選んでも、初めから変動や全期間固定を選ぶよりも不利な金利になることが多いです。

特に今はマイナス金利の影響で金利が史上最低水準ですから、初めの一定期間だけ固定にするなら初めから変動金利を選んぶか、将来の金利上昇リスクを避ける為全期間固定型を選んだ方が合理的です。

例えば、現在の日本の景気が不安定で金利水準が非常に高いと考えられる場合などは、将来市場金利が下がる可能性がありますので一定期間金利を固定して様子を見ると言う選択しもありでしょう。

日本人は中間を好みますが、なんとなく良さそうだからと言う理由だけで固定期間選択型を選ばない方が無難でしょう。

金利水準が過去最低の今は、変動か全期間固定のどちらかの2択で検討するべきです。

まとめ

住宅ローンの仕組みや金利のタイプ、についてまとめてみました。

住宅ローンには審査があります。住宅ローン審査の年収の目安など知りたいでまとめていますので、きになる方はチェックしてみて下さい。

住宅ローンは業者に勧められるがまま選ぶ人が非常に多いです。

商品自体が複雑ですし、仕組みやメリットデメリットなどが非常に分かりにくいからです。しかし、人生で一番高い買い物である「マイホーム」購入の際に、返済総額に直結する重要な要素です。

選び方を間違えれば大きく損してしまう可能性もあります。逆に賢く買うことができれば相当な出費を抑える事ができます。

それこそ、普段から少しでも節約している方は、マイホームの住宅ローンは絶対に業者任せにしない方が良いでしょう。

住宅ローンの選択次第では、普段の節約が全て無駄になるほどのインパクトがあるからです

また住宅メーカーなどの返済予定表の多くは、変動金利でシミュレーションしている事がおおいです。
変動金利がひとまず一番金利が安いからです。

しかし変動金利は将来金利が上昇する可能性がありますので、シミュレーション通りには行かないと考えた方が良いでしょう。

特に今は超低金利でこれ以上金利が下がるとは考えにくく、間違いなく上昇するしかない環境だからです。

このままの金利が35年続くとは到底思えません。

返済シミュレーターなどはインターネット上に沢山ありますので、是非ご自身で金利が変わるとどの程度返済額が変わるかのチェックをしてみたください。

例えば、住宅金融支援機構のウェブサイトでは、固定プランと変動プランでの比較まで出来ます。

住宅ローンシミュレーションをしてみる

ちょっとした違いでも返済額は大きく変わります。

また自分がどの住宅ローンを選べば良いのか分からない場合は、私の方で住宅ローンの相談も随時受け付けていますのでFP相談予約フォームよりご予約下さい。

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