給料は上がらないが負担が増える日本

給料は上がらないが負担は増える日本

日本は世界一豊かな国だと言われています。

国連が発表している統計調査でも、教育水準やインフラ設備など様々な要素を考慮して日本は世界一豊かな国として、ランキング1位になってます。

正直に自分が住んでいる国がこういう統計で1位なのは大変嬉しいことですし、あらためて幸せな事だな〜と思いますね。

ただっ!

だからといって今以上に国が、国民に何かしてくれる

とか、

何かあっても困った時には助けてくれるから大丈夫!
という話にはなりませんから、何もしなければ痛い目を見る可能性はあります。

最低限餓死する事は無いレベルでは助けてくれるとは思いますが…

僕は何度もこのブログでも書いてますが、これからは365日死ぬまで働く事が当たり前になる時代です。

65歳で定年して、悠々自適に過ごすなんてほんの一部の金持ちしか出来なくなるでしょう。

厚生労働省のウェブサイトを見てほしいのですが、「生涯現役」とか「副業兼業」という言葉が結構出てきます。

「生涯現役」→定年を無くしましょう!

「副業兼業」→サラリーマンは空いた時間(土日など)も働けるようにしよう!

ちょっと待って!

と思いませんか?

何か良いことのような気もしますけど、よく考えてみて下さい。

定年が無くて、土日もないって…..
365日死ぬまで一生働けってことなのか⁇

でもしょうがないんですね。

日本の財政赤字がこのまま続けば、確実に経済破綻します。

消費税を25%にあげても、年間キャッシュフローの赤字さえ止められないのですから。

会社員の給料は上がっていない

ここ20年間、国民一人当たりの平均年収は殆ど変わってい無いようみ見えます。

(引用元:https://www.es-inc.jp/graphs/2013/grh_id004084.html

1997年頃までは上昇し続けています。
しかし、その後はずっと横ばいです。

「バブルが崩壊してから平均の所得金額はほとんど変わっていません」

とよく言われています。

しかし!

上の図の点線の方を見て頂きたいのですが、
右肩下がりになってます。

これは、世帯人員一人当たりの平均所得の推移です。

平均所得が変わっていないと言う良くあるグラフには数字のマジックがあります。

世帯収入と言う指標が使われていることが多いのです。

世帯収入とは、世帯の合計所得ですから、
夫婦共働きならダブルインカムの合計が、世帯収入となります。

20年前は、今と違って共働き世帯は少ないです。
世帯収入はイコール一家の大黒柱のご主人の収入と考えて良いでしょう。

しかし今は、共働き夫婦が非常に多くなっています。
下の図は、厚生労働省調べによる「全世帯における共働き世帯と男性雇用のみ世帯の割合」
を見たグラフです。

(引用元:http://www.garbagenews.net/archives/1954558.html

2000年を境に、夫婦共働き世帯の割合が、
いわゆる昔ながらのサラリーマン世帯の割合を逆転しています。

ダブルインカムの世帯割合が増えているにも関わらず、
平均世帯収入の推移が横ばいという事は、一人当たりの所得金額は低下しているのです。

それを表しているのが、上の図の点線です。

つまり、今の日本国民の平均所得は横ばいですらなく、
むしろ、低下していると考えられます。

その方が僕の感覚にも合ってます。

日本は統計的には、世界的に見ても豊かな国なのは間違い無いです。
しかし、これからもそれを維持し続けることが出来るかは分からないです。

現状は、どんどん貧しくなているといって間違い無いでしょう。


確実に増え続ける家計の支出

ここでは、支出に焦点を当ててみたいと思います。

今、サラリーマンの収入水準は確実に低下傾向にあります。
収入が低下すればその分支出が減れば、可処分所得は変わらず生活水準は保つことができます。

しかし、現実は非常に厳しいデータが出ています。

収入は低下し、支出は逆に増えているのです。


大学の授業料推移

上の図は大学の授業料推移です。

ここ数年は、上昇率こそ大きくはありませんが確実に上がり続けています。
子供の教育費については、実は教育費って年々上がり続けているんです
にまとめてありますのでご覧下さい。

国立大学も私立大学も上昇し続けています。

少子高齢化で子供の数は減っていますから、
一人当たりの負担が増えても不思議ではありません。

日本の社会保障費の膨張による財政赤字を考えれば当然の結果です。


厚生年金保険料の推移

続いてサラリーマンなら毎月給与天引きされている、
厚生年金保険料の推移をみてみます。

上の図は厚生年金保険料の料率を示しています。

2002年から2003年にかけて料率が下がっているのは、保険料徴収の仕組みが変わったからです。実質的には年々保険料は上がり続けています

通常給与天引きで惹かれている額になりますし、非常に把握しづらいと思います。

厚生年金保険料は、まさに今の高齢者の年金原資となっています。

日本の年金は仕送り方式と呼ばれていて、
現役世代の年金保険料が、そのまま高齢者の年金原資になっています。

良く自分たちの積立と勘違いしている方がいらっしゃいますが、
公的年金は、あくまでも今の時代の年金受給者に仕送りしている形になります。

今後、ますます少子高齢化が進み
生産年齢人口が減少して厚生年金保険料を収める人が少なくなれば
一人当たりの保険料負担は上昇することが推測されます。

厚生年金保険料って本当に高いですよね。。。


健康保険料の推移

上の図は健康保険料の推移です。

健康保険料は毎年3月に改定されます。
改定されない時もありますが、じわじわと増額されています。

こちらは、厚生年金保険料よりもはるかに増加率が高いですね。

厚生年金保険料と健康保険料はサラリーマンの場合、
毎月給与天引きだと思いますが、会社と折半で負担するというルールになっています。

つまり給与から天引きされている金額と同等の金額を会社が負担してくれているのです。
ですから、実際には天引き分の2倍が保険料になります。

社会保険料はとにかく高いです。
今でもめちゃくちゃ高いのにこれ以上増えたら相当大変です。

しかし残念ながらこれからも上昇し続けるでしょう。

続いて税金関係をみてみます。


会社員など個人にかかる税金は軒並み増税

消費税

サラリーマンなどに関する、個人にかかる税金は軒並み増税されています。

最近では、消費税が10%になるというニュースがありましたが、
もともと消費税は3%からスタートしました。

そこからどんどん税率が上がり、今では8%となっています。
10%への引き上げの法案自体は可決されていますので、いずれなります。

今のところ、2019年10月まで延期されています。

消費税の増税効果ですが一般的には、1%増税すると2兆円の税収になると言われています。
ですから、消費税を25%にすれば、50兆円の税収になるので毎年の財政赤字をとめられる
計算になりますが、現実はそれほど簡単では無いでしょう。

増税すれば消費を控える人たちが多くなりますから、単純に1%が2兆円なはずは無いんですね。

しかし、少なくとも25%程度までは上がる可能性は十分にあると思います。

3%の時代からすれば、10%だって考えられないほど高い訳です。

ただ、消費税は消費しなければ掛かりませんから抑えようと思いば抑えることは出来ます。

所得税

続いて所得税です。

サラリーマンの方は自分がどの位の所得税を徴収されているか把握していない方も
多いのでは無いでしょうか。

実際、僕もサラリーマン時代は自分が一体幾らの所得税を支払っているのかは
良く分かっていませんでした。

年末調整の後に、いくらか還付があってラッキー位に思ってましたから。

所得税の計算は非常に複雑ですので実質の負担がくがどうなのかはなかなか分かりにくいかもしれません。

象徴的な出来事としては、サラリーマンの給与所得控除の見直しが行われたことでしょうか。
給与所得控除を縮小するという話です。

今まで控除されていた税金が、控除されなくなる話ですから実質増税です。
給与所得控除については、今までの常識は通用しない〜サラリーマン大増税時代が来る

に詳しく書いてます。

こちらも増税傾向なのは間違い無いでしょう。

その他にも、相続税や贈与税など個人にかかる税金はいくつかありますが
軒並み増税されています。

相続税は、非課税枠が縮小しました。

平成27年に改定されましたが、相続税には非課税枠というものが設定されています。

ある程度資産を持っている人のみが対象ですので、
いくら以上資産を持っている人というラインがあります。

それを非課税枠と言いまして、相続税の対象外となります。

平成26年までは、「5000万円+法定相続人数×1000万円」でしたが、
これが、平成27年から「3000万円+法定相続人数×600万円」に改定されました。

かなりの大幅改定です。

それまでは相続税を支払わずに済んだ人も、相続税の対象になるということですから、
これも増税と同じですね。

どうでしょうか?

今、日本という国にはとんでもなくキャッシュフローが悪化しているのです。

個人にかかる税金はほとんど増税されています。

収入は減り、支出は増えている

というのが、今の日本の状況だということです。

「給料は上がらないが、負担は増える日本」まとめ

高度経済成長時までは右肩上がりだった推移が、バブル崩壊とともに横ばいとなりここ数年では逆に下がっています。

国民の所得金額は伸びていません。

しかし、社会保障に関わる保険料や税金は確実に増え続けています。

実質貧乏になっていると言えます。

これからの常識は、死ぬまで働くという常識です。

ほんの一部の金持ちだけが、定年し老後を悠々自適に過ごせるということでしょう。

資産形成には知識と情報が必要です。
今までよりも、より深い知識や情報がなければ経済的な安心感を得ることがなかなか
出来ない世の中になりつつあります。

茹でガエルと同じです。

ある日突然、とんでもない事になれば皆焦ります。
しかし、徐々に変化していきますので気付いた時には完全に茹で上がってしまい
手の施しようが無い状況になるのです。

そうならないよう、早めに情報を入手し準備をしておきたいですね。

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