複利と単利の違いとは
複利の偉大なるパワー
「人類最大の発明は複利」とはアインシュタインの言葉です。それほど「複利」には力があります。
よく「複利運用」とか「複利効果」という言葉が使われたりします。逆の意味で「単利」という言葉があります。まずは両者の違いとは何かを見てみましょう。
単利と複利の違いは簡単です。
例えば、
100万円預けて5%単利で運用すると、30年後には、250万円になっています。
毎年5万円ずつ増えていきますから、30年後には150万の利息がつきます。
同じ条件で複利で運用すると、433万円になります。
これが、単利と複利の違いです。
「単利」は元本である100万円のみに毎年利息がつきます。
しかし複利は、利息まで含めた金額に毎年利息がつきます。
それだけでこれほどの違いが出ます。
ただし、複利の効果は時間がたてばたつほど急上昇していきます。
ですから短期間では複利の効果はあまり出ないということです。
複利の効果を発揮するには「時間を味方につける」必要があるということですね。
上の図は、単利と複利の運用成績の違いをみています。
共に100万円を元本として、金利5%35年間運用した場合の運用成績を示しています。
スタート時点では、単利運用も複利運用もそれほど運用成績に違いはありませんが、
時間が経てばたつほど相乗的に複利運用の成績が上回る事になります。
複利運用を味方に付けるには、株やFXに比べてローリターン(低金利)であったとしても
長期間、確実に利息がつき複利で運用する事が可能な金融商品を選択する事だと言えます。だからこそ長期投資こそ複利の力を活用するべきです。
資産運用の基本は「複利運用」をすること
大きく資産運用するためには、複利を使うしかありません。
初めはコツコツですが時間がたつにつれ効果が大きくなります。
複利運用では長期投資という考え方をする必要があります。
株のデイトレードのような短期投資では複利の効果は期待できないからです。
長期投資で財をなしたのは「投資家の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェットです。
バフェットはまさに複利の力を活用し投資の世界で大成功を収めました。
初めて株を買ったのが11歳の時ですから驚きです。
バフェットの投資術の基本は「長期投資」による複利運用です。
長期的に業績が伸びそうな株を購入し保持し続けるというものです。
株は売り買いすれば利益が出たとしても税金がかかります。
逆に言えば売らずに保持し続ければ何倍になっても税金はかかりません。
その上長期的に業績が伸びる銘柄を見極める目が非常に優れていたことがバフェットの凄いところです。
何十年も株を持ち続け「複利運用」し続けたことで資産が膨れ上がって行ったのです。
バフェットの言葉を引用すると
「複利効果を向上させるには、取られる税金を最小化し、取引コストをできるだけ抑えるようにシステムを構築すれば良い。 全力を尽くして税金は先延ばしにするか抑制し、できるだけ長く無税で複利効果を享受できるようにしておくべきである。 そうすれば、投資の意思決定に全く頼ることなく、金利の複利効果で年率リターンを数パーセント改善できる」
この言葉だけ聞くとなんだか普通な話に聞こえるのですが、いざ実践しようとすると難しそうですね。
しかしリスクをなるべく取らずに運用効果を得るには、やはり複利運用できる「長期投資」が良いでしょう。
複利効果を敵に回ると恐ろしいことに…
複利効果を逆に敵に回すと大変なことになります。
それは住宅ローンや借金による自転車操業です。
借金が借金を呼び、自転車操業で返しても返しても借金が減らない人は、「複利」を敵に回している人です。
複利を敵に回す事ほど恐ろしい事はありません。
ひたすら「金利」を返し続け、元本は一向に減らない事態に陥ってしまいます。
また住宅ローンを早めに繰上げ返済した方が良い理由は、金利が複利計算だからです。
返済期間に長い年月をかけてしまうと、返済総額は複利のパワーによって相乗的に増加してしまします。
住宅ローンの金利は低く設定されていますが、35年と長期間にわたり返済していくことになります。
これはまさに金利が複利計算ですから相乗的に金利が膨れ上がっていくことになります。
繰り上げ返済の良い点は、元本を減らすことができる点です。
元本が減れば当然利息分の減りますから返済期間が短くなっていきます。
繰り上げ返済の効果は非常に大きいのです。
複利は敵に回さず、味方につけて将来の資産づくりをしていきましょう。